読解力を鍛える。

「読解力」は、勉強においても仕事においても必須の能力として知られています。
そんな読解力は、具体的にどのような能力を指しているのでしょうか。また、皆さんはご自身の読解力のレベルを把握していますか。読解力がない人は、どのように高めていけばよいのでしょうか。
今回は、「読解力を鍛える方法」を中心に、読解力についてお話します。

読解力とは
読解力は文章、テキストから何を言おうとしているのか、この話の確信は何かということを感じ取る力のことです。
読解力が欠如していると相手の言い分、伝えたいことが理解できずに間違った認識や誤解して受け取ってしまう危険性があります。
読解力を高めるために読書をすればいいという訳ではありません。
そもそも読解力が低い場合、読書をしてもただ読むだけで、内容を正しく理解できていないことが考えられます。

「要約」で読解力を鍛える
読解力を向上させるには「要約」の練習が有効です。学生はともかく、ビジネスパーソンの場合は、長らく要約文を書く機会がなかったという人も多いのではないでしょうか。
ただ文章を読むだけでは、漫然と読んでしまうことになりがち。しかし要約文を書く際には、単語の意味や主語・述語を正しく理解したり、字数を抑えるために異なる言葉に言い換えたりといった作業が必要です。そのため、要約を何度も繰り返すにつれて、読解力が身についていきます。
『大人に必要な「読解力」がきちんと身につく 読みトレ』の著者・吉田裕子氏いわく、読解力を鍛えるために要約をする際の教材としては、新聞がおすすめなのだそう。新聞の記事を100文字前後で要約するのが良いのだとか。その際は、次の2点に着目するべきだと述べています。
【話題】何について述べているのか
【結論】結局どのようなことを言いたいのか
記事の中でも、リード文(記事冒頭の要約)の書いてある記事や、社説がおすすめだそう。リード文が書いてある記事は、リード文を隠しながら要約文を作れば答え合わせもできますし、社説はひとつの記事の中にひとつの主張が書かれたものなので、要約に適しています。
読解力を向上させたい方は、100文字要約を習慣づけてみてはいかがでしょうか。

「読書」で読解力を鍛える
明治大学教授の齋藤孝氏は、読解力を高めるために、「音読する・ラインを引きながら読む・緩急をつける」ことを意識して本を読み込むことを推奨しています。以下でご紹介しましょう。
音読する
文章を誤読する主な原因が「飛ばし読み」です。先ほど、読解力の例題で間違えてしまったという方も、じっくりと読み返せば正答できたのではないでしょうか。音読は、この飛ばし読み癖の矯正に有効なのだそう。音読をしていれば、必然的に一言一句目で追うことになりますし、音で聞くことで内容も頭に入りやすくなります。
ラインを引きながら読む
重要だと感じる箇所とおもしろいと感じる箇所を色分けして線を引きながら読むことも有効だそう。こうすることによって、前後のつながりを考えながら読むことになると言います。
緩急をつけて読む
時間があり余っているのであればよいですが、多くの人にとって、読書に費やせる時間は限られています。重要でない箇所はさらっと読み、重要な箇所や筆者の主張はじっくりと読み込みましょう。これも、文意を読み取るうえで重要なことなのだそう。

「要約」と「読書」、読解力を高めるための習慣にしてみてはいかがでしょうか。