数学の考え方

今回は数学について
「いくら公式を覚えても使いどころがわからない」
「類題を応用して本番に繋げることができない」
そうお悩みの方も多くいらっしゃるかと思います。
そんな方々に数学をどう考えるべきか「考え方」についてのお話を出来ればと思います。

1. 前提条件を数式に置き換える 。
論理的思考のためには明快な因果関係が必要なように、数学の問題を解く上でも、因果関係を明らかにしていくことは重要です。
因果関係を正確に押さえられれば、関係性が明解になるだけでなく、数式の同値変形にも応用することができます。
基本的に高校までの数学は「前提条件を数式に置き換えること」が大きなポイントとなります。

2.ビジュアル化する。
言葉を連ねるだけではイメージが伝わらないときに、図や絵を描いて説明することで伝わりやすくなることがあります。
同様に、数学の問題を解くときにも、言葉や数式だけの情報よりも、視覚化すると情報量が圧倒的に増え、問題の全体像が見通しやすくなります。
図だけでなく、グラフで表す方法も有効です。
数式や数列だけでは分かりづらいときは、試しにグラフ化してみる、という手を覚えておきましょう。

3.具体的な数値を入れ法則を予測し考える。
数学の最終目的は、一般化(あらゆる場面に通じるように立式すること)にあります。
難解な問題に対しては、まずは具体的な数字を当てはめる手が有効です。
そこに何らかの関係性があれば、『ここには法則があるのでは…』と思い立ち、一般的な法則や定理についてのヒントを得られることがあります。

4.逆を考える。
正攻法で問題に取り組んでみても、解決の糸口がわからない。
そんなときには、別の視点から考えてみると、意外にすんなり解けることがあります。
とはいえ、別の視点を効果的に生かすのも簡単ではありません。そこで“別の視点”のなかでも、最も基本的なものとして試したいのが、逆の視点です。
例えば黒と白でできた図形があるとして、黒の部分の面積を直接求めることが難解であったとしても、全体から白い部分の面積を引くという逆転の発想を取り入れたら、容易に解が導き出せるケースがあります。
手に負えないと感じたまま考え続けても、答えは出ません。時には反対から物事を考え、解答への近道を探す練習は、日常の問題解決にも役立ちます。

5.ゴールからスタートする。
数学が苦手な人の多くがつまずく証明の問題。
どのような切り口で始めたらよいか見当がつかない場合は、
「ゴールの1行前」を考えるアプローチをしましょう。
「◯>◯のときに、△>△であることを証明しなさい」というように、
証明問題は常に結論が最初に提示されていますので
そのゴールから1行ずつ遡り、スタートをたどっていくというアプローチです。
△>△であるには□>□であればよい
□>□であるには◆>◆であればよい
◆>◆であるには●>●であればよい
●>●であるには〇>〇であればよい
このように結論から順に下り条件まで辿ることで
おのずと解答の道筋が見えるのではないでしょうか。