スモールステップ勉強法

難しい内容を学習しようとする時や目標が難しく、達成が遠い時
このような状況でモチベーションを保つことはとても難しくあります。
大人になってもよくある状況です。
しかし、そんな時に役立つのが「スモールステップの原理」です。
よくこのブログでもワードだけは出しておりましたが
スモールステップの原理とは、学習内容を細分化することで、学習効率を上げ、達成感を得られるという自己コントロール方法です。
今回はそのスモールステップの原理についてお話をしていきます。
スモールステップの原理とは
スモールステップの原理とは、学習内容をより小さな単位に分け、小刻みに学習を進めていく方法です。
プログラム学習の原理の1つとして心理学者スキナーが提唱しました。
優秀な教育者や心理療法士がよく使う方法でもあります。
例えば難しいダンスの振り付けを覚える時。
見本を見ていきなり全部を真似する、というのは難しいかもしれません。
しかし、その振り付けを細かいステップに分けて習得していけば覚えられるでしょう。
このような学習目標の細分化を行うのがスモールステップです。
このスモールステップの原理は学習者・教育者にとって大きなメリットを持ちます。
スモールステップの原理の使い方に入る前に、メリットについてもまとめておきましょう。
スモールステップの原理のメリット
スモールステップの原理のメリットは以下の3つ。
- 達成感を積み重ねてモチベーションを上げられる
- 「問題のある部分」を見つけられる
- 初動が早くなる
順番に解説していきます。
① 達成感を積み重ねてモチベーションを上げられる
学習目標を小さく切り分けることで、達成が容易になります。
その「小さな達成」を積み重ねることがモチベーションにつながるのです。
理論的には「報酬系」と呼ばれる脳の回路があり、その回路に報酬を与えることでやる気が上がる、とされています。
スモールステップの原理では、この報酬系に細かくご褒美与えてやることでモチベーションアップを図っているのです。
難しい課題に直面し、モチベーションが上がらず立ち止まってしまっていると感じたときには、目標をスモールステップに分解してみましょう。
② 「問題のある部分」を見つけられる
スモールステップの原理のもとでは一つの課題がさらに細かい部分に分けられます。
結果、一つの状態では気が付かなかった「特に問題のある部分」に気がつく事ができるのです。
例えば先ほどのダンスの例。
全部通して踊ってみるとどこかで上手くいかない。けれどどこで躓いているのかわからない。
そこで一度細かく動きを分けて観察してみると、噛み合っていない部分、少しタイミングが遅れたせいで後の動きに影響している部分、などが明らかになっていきます。
③初動が早くなる
基本的に広く難しい内容に取り組むよりも、小さく具体的な内容に取り組む方が簡単です。理解度のチェックも容易になります。
例えば「遠くに移動してください」という指示が出た場合
何をどうすればいいのか分からず考えてこんでしまいますが
「まずは30分以内に多摩センター駅の改札にいてください」
と分解された指示であれば初動はスムーズになるかと思います。

スモールステップの原理を利用した勉強
利用といってもやることはシンプルです。
学習内容や目標を細かく分けていく。
ただそれだけです。
問題は「どの程度細分化するか」になります。
いくつか焦点を挙げておきましょう。
① 行動が具体的になるようなスモールステップに分ける
スモールステップの原理の強みは、シンプルに行動できるようになることです。
したがって、細分化された学習内容・目標は、人の行動をシンプルに方向付けられるものが望ましいのです。
② 成功体験が得られるようなスモールステップに分ける
スモールステップの原理のメリットである報酬系への影響を実現するためには、成功体験が得られることが大切です。
そのスモールステップによって成功体験が得られるか、考えてみましょう。
③ 細かすぎて逆にモチベーションが下がらないように分ける
あまりに細かく分けすぎると、プロセスが多くなりすぎ、またそもそも何がしたいのかわからなくなってしまう場合があります。
そうなってしまってはスモールステップの原理は逆効果です。気をつけましょう。

スモールステップでどんどん進もう!
- スモールステップの原理は学習内容・目標を細分化することで達成しやすくすものである
- スモールステップにすることで意欲向上・問題発見・教えやすくなる、などのメリットが得られる
- スモールステップの原理を使う時は細分化の程度に注意する
大きなジャンプできず、いつまでも同じところで止まっているくらいなら、小さくても一歩ずつ踏み出したほうが建設的です。
スモールステップの原理を使って、どんどん前に進んでいきましょう。